ホームページアドレスなどに使用されるドメイン名にアルファベット以外の文字の使用が承認されることになった。(CNET記事:ICANN、アルファベット以外のドメイン名の導入を承認)
「日本語ドメインはもうある!」と思ったが、どうやら、上記記事の原文が書かれた米国では日本語ドメインなど認識されていないようだ。それも当然である。日本語を使用していない人にとって、意味がないからである。
良い機会なので、日本語ドメイン名を考えてみる。
普及していない?
まず、実感として普及していない。検索などで日本語ドメインの頁が登録されているのを見かけることはあまりない。現実は、日本でドメイン名を管理しているJPRSの2009年11月のデータによると、汎用.jpドメイン73万の約18%、13万程が日本語ドメインであるそうである。
普及が遅れた原因にブラウザの問題がある。2001年から登録が開始されたが、ブラウザのシェアトップのIEは2007年に導入が始まったバージョン7からやっと日本語ドメインに対応し、それ以前のバージョンIE5やIE6では、プラグインなどを導入しなければ処理できない。IE7はマイクロソフトによる強制インストールで話題になったが、2009年9月でもシェアトップは依然IE6である。(マイコミジャーナル:2009年9月ブラウザシェア)
メリットは?
ドメイン名とフォルダ名、頁名などで構成されるホームページのアドレス、URLは検索エンジンにキーワードとして認識されている。ドメイン名やページの名前にキーワードが含まれていることは、SEO的には有利である。しかし、SEOの基本は内容の充実であり、支配的な要素ではない。
また、自社のアクセスログ解析などで分かるとおり、来訪者の来訪元は検索エンジン経由である。日本語ドメインを直接入力して、ホームページを訪れる利用形態は、キャンペーンサイトなどでしか、利用を想定できない。「○○で検索」といったキャッチコピーも多いので、キャンペーンサイトですら限定的である。
結論
ホームページ制作会社として、一般的な中小企業の会社のホームページに日本語ドメイン名を使用することは、弊社では勧めていない。理由は、
- (現時点で)日本語ドメイン名でメールが使えない
- アドレスを入力してもらえない可能性がある
- 検索エンジン経由が多く、利用される機会が少ない
- 英文ページなどを作った場合、別ドメイン取得が必要になる
である。ドメイン1つを会社のホームページに使用する場合、それでメールが使えないのは、不経済である。日本語を使用する限定されたユーザーに向け、日本語固有の商品、サービス、情報を提供する場合に限って、日本語ドメインは非常に有利になる。利用形態を見極めて、採用を検討して欲しい。