メールの70%は迷惑メール

実感通りというのも悲しいが、CNET Japanの記事に、メールの70%が迷惑メールであるという記事が掲載されていた。(CNET Japan記事:7割以上が迷惑メール–迷惑メール対策推進協議会まとめ

面白いのは、世界的にはインターネット関連広告と薬など医療関係広告が多いのに日本では約90%が出会い系だそうだ。ここでも、ガラパゴス化しているのには、驚きである。しかし、よく考えてみれば、インターネットの利用形態が携帯電話に偏るなど、ガラパゴス化しているので、迷惑メールもガラパゴス化するのは当然である。

弊社ではGmailのメールフィルターを利用しているが、最近このフィルターで漏れているのは、薬とインターネット広告、商材の紹介の数件である。これも、明示的に迷惑メールであることを設定すれば、消えるだろう。メールソフト上では、迷惑メールは見かけ上1割もないように見え、快適である。

TQC的(トヨタなども採用している全社的品質改善活動)に考えると、一番比率の多い「出会い系」の改善を行えば、一番迷惑メール削減効果が期待できる。迷惑メールをフィルターでふるいにかけるのは、何も生み出さない非生産的作業である。7割の9割であるから、発信元で規制ができれば、サーバーやネットワーク、強いてはメールを取り込むPCの負担の6割を削減出来ることになり、大きく環境問題にも貢献できるかも知れない。

ノートンの速度改善

セキュリティソフトで有名なSymantec社の「Norton」が速くなったと報じられている。(ZDNET記事:セキュリティソフトの「落とし穴」とパフォーマンスに対する悪評を払しょく

筆者とノートンの出会いは10年以上前になる。当時はMac用のパフォーマンス改善ソフトが主でウィルス対策もその一部と言った印象を受けた。ウィルス自体も多くなく、プログラム自体も小さかったのであろう。的確に不具合を修正し、快適な使用感を覚え、Windows版が発売されてからは、他のウィルス対策ソフトより、Nortonをお客様にも勧めていた。

しかし、数年前から、Windows系OSで、次の事が目立った。

  1. 導入する際に、非常に時間がかかる。特にネット接続が遅いと顕著。
  2. PC全体のパフォーマンスが落ちる

最新機種に導入する際はそれほどでもないが、数年程度古い機種では、非常に時間がかかる。4,5台の導入に1日かかってしまうこともあった。新しいバージョンでは、テレビでみた記者会見によると、性能の高くないネット端末と呼ばれる軽量パソコン、モバイル端末にも対応したと伝えていた。また、記事によると、1も2も改善したと言うが、「1はソフト本来の性能ではない。2は別のソフトが影響していた。」というSymantec社の主張には驚いた。

確実にウィルスに対抗してくれているという信頼感は薄れていないが、PCに対する脅威はメールからホームページなど経路が増加している。未知の脅威にも対抗できる技術を搭載したということなので、今後を見守りたい。

2009年7月のDOS攻撃

6月26日に弊社と提携している複数のサーバー管理会社でそれぞれのセンターがDOS攻撃を被った。当日、画像データベースの最大手、ゲッティイメージでもメールサーバーも攻撃を受けた旨、通知を受け取った。
その後、情報処理推進機構の情報で6月にDOS攻撃が増えていた事がわかったが、それだけでは終わっていなかった。どうやら、次の攻撃の足がかりであったようだ。

翌週の7月4日には、米国と韓国で大規模なDOS攻撃が起こった。

貴社のサイトのサーバーは、問題ありませんでしたか?

ホームページの表示はどうにもなりませんが、メールだけでも通じるように、弊社では、Gmailをバックアップに使用しています。もちろん、自社ドメインでのメールのやりとりは攻撃中は行えませんが、攻撃前に送られたメールの閲覧やGmailでのアカウントで連絡をとることができます。また、自社のサーバー容量では実現できない、古いメールの長期保存も可能です。

内容が読まれると怖がる方も多いのですが、現在の通常のメールシステム自体、配信中は無防備です。また、読まれると言っても、コンピュータが解析しているだけで、現在は、キーワードを拾っているに過ぎません。ぜひ、検討してみてください。

送信メールを取り消す

よく相談を受ける案件だが、普通の状態では無理である。送信先を間違えたファックスを取り消せないのと同じである。しかし、グーグルの提供するGmailが実験的に実現している。(Gmail Labs が日本語に対応しました)ただし、取消ができるのは数秒間だけと言うことなので、やはり良くチェックしなければいけない。

この機能を本格的に対応するには、メールの規格自体を変えなければならない。特定のメールを削除指示するメールを決めて、それにメールソフト、OutlookExpressなどが対応する必要がある。

仕事のメールは送信先を良く確認するしか、しばらく、特効薬はなさそうである。

Gmailは、今、使っているメールアドレスでも利用することができる。メールアドレスはそのままで、ウェブメールやGmailの迷惑メールフィルターが使える。助かるのは、一生使い切れないような大きな容量をもらえることで、数ヶ月前に削除したメールを探し出すことも可能である。もちろん、メールの内容はグーグルのシステムによってスキャンされる。SFホラー映画の様に自分のプライバシーがすべて明かされると思う方は、止めた方がよい。

電子メールの将来

CNETの記事「電子メールは衰退するのか」では、個人はスパムメールを嫌気して、電子メールから離れつつある一方、企業では、いまのところ、これに変わるサービスはなさそうであると結論している。

日本では、若者は携帯メールが支配的で、次のコミュニケーションツール、Twitterが広がっていく気配はない。”電子メールの未来”にも書いたが、電子メールは完全にスパムを排除するシステムがあれば、まだまだ、使えると考えていた。しかし、どうやら、特にアメリカでは、文章ファイルのやりとり自体がひどく旧式に感じられているようである。文書のやりとり=仕事で、とても、電子メールを会話を筆頭とするコミュニケーションとして受け入れ難いのである。

結局、社会的、文化的な要因があり次世代コミュニケーションツールが世界的に広まるかは未知数である。また、業務では、文書をやりとりすることが通例であり、マイクロソフトのExchangeサーバーが支配的なこともあり、電子メールのスタイルが変わるとは思えない。しばらくは、システムの改善だけで終わることになるだろう。