ネット広告が新聞広告を抜く

ネット広告費が新聞を抜く–電通「2009年日本の広告費」を発表“と言う記事がCNETに掲載されていた。

すでに、アメリカなどでは、テレビ、新聞の広告費が落ちて、報道機関としての存続も騒がれており、日本も後を追うことになった。日本はまだまだ、テレビに依存する傾向が強く、しばらくは安泰とおもっていたが、記事から推すと業界では既に数年前から危機感を感じていたようである。

広告が変わってきたと身近に感じるのは、以下のような場面だ。

  • テレビで聞いたこともない小さな会社がコマーシャルを流しているのを目にするとき。
  • 新聞の広告がほとんどない。夕刊はほとんど広告レス。
  • BS放送は広告と広告番組がほとんどである。

リーマンショックの影響で大手が広告を控え、好調のネット通販が広告費、もちろんインターネット広告を増やしたと言うことだろう。
しかし、考えてみれば、小遣い程度で始められる、検索連動型広告は、広告出稿者を増やすのは必然で、手軽さが浸透すればするほど、伸びていくのは当然である。

面白いのは、グーグルがその広告をほとんど、論理的に処理しているという事実である。先日、グーグルの講習会でグーグルの担当者が、「Gmailの内容をグーグルは閲覧しているのか?」と言う質問に対して、「閲覧ではなく論理的・機械的に解析しているだけで、意向や作為は全くあり得ない。機械的処理。」と回答していた。どうやら、目の色をかえてお金をつぎ込んでいるのは、広告主だけのようだ。

さて、小口の広告には、電通のような大手広告代理店は入り込めない。かといって、大企業の広告担当者が街の広告代理店に任すこともない。大手はパイを取り合い、統合がおこなわれるだろう。小さい広告代理店も、ネット広告では存在意義を出しにくくなり、将来的には、広告は代理店を経由するものではなくなるだろう。

集客のしくみとしてのホームページもそのころには大きく様子が変わっているかも知れない。

オンライン広告も減少

CNETで米国のオンライン広告費が減少したことを報じていた。(CNET記事:オンライン広告、2009年上半期売上高は前年同期比5.3%減の109億ドル–米調査)

記事にもあるとおり、この不況下のなか、5.3%で収まったのは、むしろ、好材料である。また、ソーシャルネットワーク系のサービスも広告配信のよって、収支が改善したことも歓迎されている。

今のところ、どこのウェブサイトも広告頼みとなっている。しかし、以前に新聞サイトの有料化で話題に上げたとおり、最終的にはより良い情報を求めて、有料の情報サイトが主流になっていくのがベストであろう。NHKのコマーシャル放映なども一時問題になっており、広告と情報、サービスの提供は今後もそのあり方が議論されていくのであろう。

景気が回復すれば、また、広告量が回復するだろう。今の時期に、貴社サイトの広告価値についても、検討いただきたい。そのためにも、より良いコンテンツの掲載を目指すことが一番である。

電通とグーグル

電通とグーグルが共同でブランド価値の調査研究、広告指標確立を目指す」というCNETの記事を読んだ。

片や受注金額数億円のホームページを手がける会社と最低1回数円のクリック広告を扱う会社の共同研究である。また、既成のテレビ・雑誌などのマスメディア広告とインターネット広告という意味でも、まっこうから対立している2社におもえる。その2社が共同研究というのには驚きが隠せない。全世界での知名度では、グーグルの方が上であろうが、このニュースのタイトルは”電通”が頭にきていることからも、電通側のラブコールが見え隠れする。電通の得意分野であるブランド調査などとインターネット広告をからめたつもりかもしれない。しかし、ひとたび、グーグルのソウフトウェア開発力にかかれば、インターネットブランド調査など朝飯前である。今その機能が無いのは、多くの人がそのことに興味を持っていないとグーグルが判断しているからであろう。実際、Googleドキュメントにはアンケート機能があるので、その気になれば、あっという間であろう。

任天堂WiiにもYes/Noで答える簡単なアンケートがある。世界中の人がどう答えるか、簡単ながら意外に面白いコンテンツである。まさに、参加型のコンテンツで、長い期間の興味と再訪問を促す仕組みである。貴社のホームページでも検討されてみてはいかがであろう。

ページの評価が即時

グーグルはリスティング広告の入札価格にいろいろな評価を加味している。お金を払えば何でもできるのは確かだが、ページが広告に向いていないほど、高いお金を払わせられる。広告とページが一致していれば、より、安い価格で広告を出すことができる。いままで、ページのチェックは、予め検索エンジンがチェックしたデータを使っていたようだが、今回はその評価をリアルタイムで行うことになった。(記事:グーグル、広告の質のリアルタイム評価に着手

もちろん、広告をより公正に判断してくれるのだが、他に、広告を出していれば、リアルタイムにサイトを評価してくれるのではないかという期待もある。例えば、今のところ、ページと広告の内容一致がそれほどでないからと言って、ページをせっかく修正しても、そのデータが反映されるまで、しばらくかかる。あるいは、新しいページを作って、広告をかけようとしても評価が低く、高い広告費となってしまう。

これで、ますます、広告が出しやすくなったと言える。広告を出していないサイトと出しているサイトでは評価が変わってきそうだ。これについては、追跡調査していきたい。

関連キーワードにも広告

検索エンジンの検索結果には「スポンサー」などとして広告が掲載されるのは、もうおなじみである。今度は、検索時に表示される関連キーワードにも広告がでることになった。記事はこちら:Yahoo!検索結果の関連キーワードを操作できる「スィートクラスSEO」

関連キーワードは、例えばヤフーで「ヤフー」をひくと、検索窓の下に”ヤフーキッズ,ヤフーオークション,ヤフー動画,ヤフーブログで検索”など表示される。その語と関連の高いキーワードを検索エンジンがが自動計算し、補助として表示する。

確かに、広告としてはうまみがあるが、現在のところ、広告かそうでないか区別が付かないようだ。これは、困る。調べ事をしている場合と、製品やサービスを探している時とでは、広告欄の使い方は違う。調べ事の最中に知らずに広告主のサイトに誘引されては、地雷でも踏んだような気分である。検索に対して妥当な結果がえられないと、長い間には、関連キーワードをクリックする割合が減ってしまう。これは、既にいくつもの検索エンジンが衰退したことで証明済みだ。ぜひ、広告とわかる表示をして欲しい。

ヤフーとグーグルの連携

ちょっと前のニュースというとこれである。(米ヤフー、グーグルとの広告提携を発表)久々に、ネットの話題が一般のテレビのニュースでも取り上げられたのだが、なぜこのニュースなのかと、いささかビックリした。マイクロソフトのヤフー買収のニュースは経済ニュースでしか取り上げられなかったのに、どういう、判断がされたのか気になる。

さて、取りあえず、今のところ、日本には影響が無いが、日本もこの提携の対象になると、どうなるのであろう。ヤフーのオーバーチュアとグーグルのアドワーズの両方に広告を出している場合、一体、どう表示されるのだろう。どう、設定をしたらよいのか、ユーザーとしてはその辺が気になる。大手の2社である。適切な対応を望む。