もはやメンテしらず? WordPress

ブログのシステムといえば、Wordpress といった感がいなめない昨今だが、これってデジャブ?CMS(ホームページの管理システム)といえば、その昔は、MovableType(以後MT)というのがあった。というより、一世を風靡した。(調べてみると、いまでもある。)今では、古いホームページの改装でお目にかかる程度だ。

MTと他のCMSの違いは、プログラムがホームページを作りながら表示する(動的ページ)のに対して、予めシステムで作成したページ(静的ページ)を表示する点だ。サーバーが遅かった時代では、作りながらの表示は、遅く、違いが明確だったが、今やわからない。そもそも、Googleが静的ページを勧めていたが、今やGoogleのページ全てが動的表示だ。

PhpとMySQLの浸透も WordPressが広がる要因だったろう。Phpはプログラムで、MySQLはデータベースだ。初期の頃は、この2つが動くサーバーは、あまりなく、自前で、設定する必要があった。そもそも、自前で設定できるサーバーを用意する必要があった。こうなると、敷居はぐんと上がり、システムのメンテナンスなどもやらなければならなかった。

今や、ソフトのバージョンアップはレンタルサーバー屋さんがやってくれるし、Php、MySQLがないサーバーを探す方が難しい。Wordpess自体も初めから導入してあったり、ボタンを押すだけだったりする。

一度導入した後のメンテナンスもWordpressは面倒だった。データベースをバックアップして、プログラムを新しいファイルに入れ替えたり、バージョンごとで動かなくなったところを修復したりと、素人では、無理である。今は、小規模更新は、自動で行われ、大きな更新だけが、手動起動となっている。本当は、更新の際に、データベースのバックアップをすべきだだろうが、何件も行っていると、大丈夫だとわかっているので、気楽に更新をかけられる。そのうち、バックアップも自動でやるだろう。大して難しくはないからだ。こんな希望も、自分でやらずに、「誰かやって!」と、いっておけば、文字通り、誰かがやってくれる。

日本だけでMovableTypeが異常に加熱していた頃、私はWordpressを勧めていた。理由は簡単。コミュニティが大きい(利用者と開発者の数が多い)ことだ。あれや、これや、やりたい放題のユーザーの希望を多くの開発者なら対応しきれるからだ。日本語対応があまりなくても、便利な方へと、進んでいく。テンプレートのデザイナーも多く、自分で作るより、選んだ方が早くて良いものができる。

確かに、Wordpressは、ブログのシステムである弱点は今も変わりないが、SEOしなくても良いホームページは検索エンジンが探してくれるようになり、弱点もそれほどクローズアップされくなってきた。

WIXやJimdoはどうだろう?もはや、何も考えなくてもホームページができるようになった感がある。しかし、こうなると原点に戻り、デザインが決め手になるだろう。Jimdoの外観は個人的にはイマイチ。WIXはすごいが、一度決めたら、変えられないし、値段的に安いとはいえなくなりつつある。(WordPressは基本無料で使える。サーバー代も千円以下で見つかる時代だ。)

さて、誰が王者となるのか?あるいは、もっと違ったサービスが登場するのか?ホームページ自体が無くなるのか?

どのCMSを採用すべきか?

いまやどこもかしこもCMSである。

CMSはコンテンツマネージメントシステムの略で、ブログの様に、ホームページを作成するためのアプリケーションがなくても、ブラウザからホームページが作成できるシステムだ。

代表的な物は、ブログのWordpress、ネットショップのEC-CUBE、ホームページ用のJoomla、Drupal等である。

では、一体どれを選べば良いのだろう?

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仰天制作会社さん

流行のクラウドサービスをかなり廉価に、各社が市場に出してきている。

それを利用しているホームページ制作会社も多いようだ。しかし、気をつけなければならないのは、その技量だ。クラウドサービスでは、仮想サーバーで利用する事がほとんどのため、サーバー構築ができない、制作会社では、十分な設定ができない。

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FLASH vs HTML5

FLASHとHTML5の主導権争いに、大きな局面がやってきた。

Adobe、モバイル端末向けFlashの開発を終了へ、HTML5に注力
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20111110/373781/

FLASHは、ホームページの商談ではよく耳にするキーワードだと思います。一方、HTMLはホームページを実際に組上げている技術で、レイアウト(組版、配置)や画像、文字(フォント)などを決めて画面を構成します。5はその第5世代といった、意味です。

もう少し、フラッシュを説明すると

  • ホームページのトップ画面でよく使われている動画である。
  • 商品紹介を、映像というより、キャッチフレーズやイラストを動かしてアピールする。
  • プレゼンテーションを自動で行うような技術で、写真を順番に表示するスライドショーと言える物が多い。
  • 制作は動画編集者からの人が多く、きちんと行うところは、コンテ、コマ割り、原画と時間や費用をかける事が多く、高めの金額設定であった。
  • 後発参入組は、決まった動きのパターンでの制作を行うため、途中の作業を省き、画像交換だけで、劇的な費用の圧縮をおこなっている。

制作側でフラッシュを勧めるのは、予算が高めに設定できる側面もあるだろう。しかし、最近はHTMLに埋め込む形でスライドショーが実現できるようになり、新規参入組はFLASHに手を染めない。

開発元であるAdobe社が独占していたFLASHは、いろいろな理由があるにせよApple社に嫌われ、iPhoneでの採用がない。(フラッシュが動かせるアプリは存在する。アップル社では脆弱性を不採用の理由に挙げている。)このため、スマートフォンでのFLASHのシェアはがた落ち、ついに、Adobe社も開発を終了することになったようだ。

この話題は、マイクロソフト/アップルの代理戦争のようになり、熱烈ユーザーは、FLASHが使えないiPhoneはだめだとか、どうせなくなる技術だとかの応酬が繰り広げられていた。

ホームページ発注側としては、無意味なFLASH提案には要注意です。SEO的にも、多くのFLASHでは対応されていません。(検索エンジンでFLASH部分の情報がでるサイトは少数派です。)HTML5などでスライドショーを実現した場合は、他の部分と同じ配慮で適切に働かせることができます。

ホームページ制作見積に対して「どうしてもFLASHでないと実現できない」と制作会社から提案されたら、別のところをあたってみる良いサインかも知れません。

新素材ステレスボトル?

ゴミ問題や環境問題に対応した新素材

「捨てない」=捨てる+less(英語の『少ない・無い』を合わす語)を当てた造語

として説明したらどうでしょう?さらに、グーグル検索すると47万件みつかり、PPC広告もでているとなれば、一瞬、そんなものが、現実にあるのではないかと錯覚するのではないでしょうか?

種を明かすと、「ステンレス」のタイポ、入力間違いです。PPC広告はあまりにも「ステレス」と表記するものが多いので、ステレスで探しても表示するようにしたものと思われます。

お客様のホームページ制作中に発見したこの言葉ですが、2つの重要な意味があります。

  1. ネットに掲載されている情報は、本当に正しいのか判断がつかない。
  2. ホームページ制作を、自社の業務内容を熟知しない制作会社に依頼すると、内容のチェックがあまくなる。 “新素材ステレスボトル?” の続きを読む

ホームページが中小企業を救う?

10月30日のNHKニュースで「ホームページが中小企業を救う」といった主旨の特集が放映されていた。確かに、取材した企業は、インターネットできっかけをつかみ、展示会に出展したようだが、サイトが直接売上に寄与したわけではない。ホームページに好意的な取材は、制作会社としてはありがたいが、あまり、大きな期待を持たせるのも、成功しなかったときの反動が大きく危険である。以前、民放のドラマの中でも、家族経営の飲食店がホームページで盛り返すといったストーリーがあったが、このようなことは、インターネットの黎明期の話で、現在では、非常にまれな話である。

その理由は、インターネットの普及により、何の考慮もなくホームページを作成しても、効果がほとんどないからである。黎明期ならホームページの絶対数が少なく、何も工夫をしなくても来訪者の目にとまることもあったが、既存の良くできたページが豊富にある、現在は、何の知識もなく制作されたページが検索でヒットすることはまずない。全世界で数十億頁もある現在では、砂浜で特定の砂粒を探すようなものである。

ホームページはだれでも制作できるという認識が広まっているが、それは、技術の話である。家族のホームページをつくり、アドレスを親戚に伝え、見てもらうのと、ECサイトで会社経営をするのは全く違う話である。

ホームページをつくれば、必ず商売繁盛するというのは、いまでは間違った認識である。サイトを成功させるには、作り方、内容の充実にノウハウとたゆまぬ努力が不可欠である。これから自社でサイトを作ろうと考えた方は、十分覚悟して、取りかかって欲しい。適切に行えば、大成功するのも事実である。

日本語ドメイン

ホームページアドレスなどに使用されるドメイン名にアルファベット以外の文字の使用が承認されることになった。(CNET記事:ICANN、アルファベット以外のドメイン名の導入を承認

「日本語ドメインはもうある!」と思ったが、どうやら、上記記事の原文が書かれた米国では日本語ドメインなど認識されていないようだ。それも当然である。日本語を使用していない人にとって、意味がないからである。

良い機会なので、日本語ドメイン名を考えてみる。

普及していない?

まず、実感として普及していない。検索などで日本語ドメインの頁が登録されているのを見かけることはあまりない。現実は、日本でドメイン名を管理しているJPRSの2009年11月のデータによると、汎用.jpドメイン73万の約18%、13万程が日本語ドメインであるそうである。

普及が遅れた原因にブラウザの問題がある。2001年から登録が開始されたが、ブラウザのシェアトップのIEは2007年に導入が始まったバージョン7からやっと日本語ドメインに対応し、それ以前のバージョンIE5やIE6では、プラグインなどを導入しなければ処理できない。IE7はマイクロソフトによる強制インストールで話題になったが、2009年9月でもシェアトップは依然IE6である。(マイコミジャーナル:2009年9月ブラウザシェア

メリットは?

ドメイン名とフォルダ名、頁名などで構成されるホームページのアドレス、URLは検索エンジンにキーワードとして認識されている。ドメイン名やページの名前にキーワードが含まれていることは、SEO的には有利である。しかし、SEOの基本は内容の充実であり、支配的な要素ではない。

また、自社のアクセスログ解析などで分かるとおり、来訪者の来訪元は検索エンジン経由である。日本語ドメインを直接入力して、ホームページを訪れる利用形態は、キャンペーンサイトなどでしか、利用を想定できない。「○○で検索」といったキャッチコピーも多いので、キャンペーンサイトですら限定的である。

結論

ホームページ制作会社として、一般的な中小企業の会社のホームページに日本語ドメイン名を使用することは、弊社では勧めていない。理由は、

  1. (現時点で)日本語ドメイン名でメールが使えない
  2. アドレスを入力してもらえない可能性がある
  3. 検索エンジン経由が多く、利用される機会が少ない
  4. 英文ページなどを作った場合、別ドメイン取得が必要になる

である。ドメイン1つを会社のホームページに使用する場合、それでメールが使えないのは、不経済である。日本語を使用する限定されたユーザーに向け、日本語固有の商品、サービス、情報を提供する場合に限って、日本語ドメインは非常に有利になる。利用形態を見極めて、採用を検討して欲しい。

Joomla! 対 WordPress

Joomla!はオープンウェアのCMS、コンテンツマネージメントシステム、つまり、ホームページの管理ソフトです。一方、WordPressは世界的なシェアを誇る、ブログ管理ソフトです。どちらも、オープンウェアで、企業でも無料で利用できます。このブログ自体もWordPressで構築されています。また、弊社の他のページはJoomla!に移行作業を行っています。

さて、WordPressは、そもそもブログのシステムですが、記事を管理できることから、CMS的な使い方が増えています。実際に使っているうちに、この2つの違い、利用の注意点が分かってきました。下記にまとめます。

ブログは日記
本来日記であるので、毎日のニュースや行事などの日付が関係する内容に向いている。もちろん、WordPressには”ページ”と呼ばれる、固定の記事も作成できるが、CMSやブログ自体ほど自由度はない。

CMSは計画的に構成が必要
いくら、ホームページ管理システムといえども、無造作にページは増やせない。セクション・カテゴリという2大分類の全体を見回して、どこに分類するか決め、記事を作成する必要がる。メニュー構造も大切。後から、自由に構築できるとはいえ、記事が増えてからでは、修正も大変で、検索エンジンにもよくない。

ブログは気軽に記事を作成したり、トラックバックやコメントなど、相互の接続も魅力です。結局、2つはそれぞれの、長所を生かし、別々に利用するのが良いことになります。

この記事も、日付によらないので、本来、CMSで作成すべきと言うことになります。